ベストなアルバム

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2001年西ドイツでCD化された
The Dillards「BACK PORCH BLUEGRASS(1963年)」と
「LIVE!!! ALMOST!!!(1964年)」です。

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昔々、神奈川県は藤沢と鎌倉を結ぶローカル線江ノ電の柳小路という駅のそばに楽器好きの中学生N君が住んでいました。彼の弾く楽器は一風変わっていたのです。それはアルミの筒に表はビニールが張ってあって裏はベニヤ合板でできたお盆で蓋がされていて、突き出た竿には鉄の弦が5本張ってあるのでした。

N君はそれを3本の指で1小節に8個からなる音符を実に器用にはじきトラディショナルなアメリカ民謡を奏でます。そう彼は5弦バンジョーが上手だったのです。

鎌倉の海辺の高校に通うようになったある日のこと、彼は校舎の廊下でLPレコードを脇に抱えた生徒を見かけた途端、走り寄り目をパチクリさせて言うのでした「そのレコード貸して!」と。今になって思えばN君の好奇の表現のような瞬き癖はこの時からだったのだろうか・・。

面食らったのはレコードの持ち主であるO君、でもこのLPレコードを介した出会い以降のふたりはN君の中学生時代からの友だちA君を交えトリオで生涯、流行の言葉で言うなら腹心の友となるのです。そしてそのO君が小脇に挟んでいたLPレコードこそがこのThe Dillardsの「LIVE!!! ALMOST!!!」なのでした。
以来N君はこの借りた「LIVE!!! ALMOST!!!」の中の「Dixie Breakdown」を一生懸命練習したのだとさ。めでたしめでたし。

僕がこの3人と知り合うことが出来、この2枚のLPレコードをO君に聴かせてもらいながら聞いたN君とO君の出会いのエピソードです。O君は何でN君が中学生でバンジョーを弾いていたのだと驚き、N君は何でO君が中学生なのにブルーグラスの聞いていたのか驚いたそうです。僕はそんなふたりの出会に驚きましたけど。(汗)

ドン・レノが好きだったN君は既に名曲「Dixie Breakdown」という曲の存在自体は知っていたはず、でもあのドン・レノの奏法では流石の彼でも当時は弾けなかったのかも知れません。

それから数年後、今度は僕が目の前でN君の「Dixie Breakdown」Doug Dillardバージョン完コピを生で聞くハメになるのです。僕はレコードを聞くことなんかより、N君の生バンジョーがどれだけ刺激的で挑発的であったことか。このDillardsのLPレコードが欲しくて探しました。すると通っていた大学の生協の中古レコード売り場で「BACK PORCH BLUEGRASS」は手に入れる事が出来、なんとラッキーだったことか。僕がアール・スクラッグスよりもドン・レノっぽい奏法のダグ・ディラードを好きになったのもこの頃からです。

N君を訪ねるたび、N君は目をパチクリさせ、「加藤、これ聞けよ」と覚えたてのフレーズを聞かせてくれました。そこにA君が遊びに来ると早速にディラーズごっこの始まりです。「Dixie Breakdown」、「Dougs Tune」、「Black-Eyed Susie」よく弾いたものです。そして夕方になると藤沢に3人で出掛けラーメンを食べたりしてから解散するのでした。

N君とは旧姓中野、故大森康弘さんの事です。The Dillardsに関わる僕が大学生の頃の康弘さんとの思いで話しなのでした。こんなローカルな話題でCDを語るなって感じですよね。こりゃまた失礼いたしました。

康弘さんが2010年、アールさんとダグさんは2012年に逝ってます。なのであっちのブルーグラス界じゃあ康弘さんが2年先輩なんですよ。例によって目をパチクリさせながら二人相手に、「聞いてよ、ソニー・オズボーンってこんなこと弾いてんだぜ」な〜んて聞かせていることでしょう。

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※化粧箱付きプラスチックケース、それぞれのジャケットが表紙のライナーノーツ、改めてデザインされているケース裏面。、なんか妙に気合いが入ったCD化ですよね。(笑)

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